ブックタイトル佐藤真空規格品2017

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概要

佐藤真空規格品2017

真空排気ユニット:真空ポンプの選定と組合せ853.真空ポンプの選定?到達圧力とポンプ排気速度、排気時間?表1から明らかなように、利用目的により必要な圧力(真空度)が決まれば、その圧力に到達する時間と必要なポンプ排気速度を決めなければならない。排気ユニットに接続する密閉容器(真空槽)の容積:V[L]とした時、到達圧力範囲により以下のようにして求めることができる。(1)大気圧?低真空域:100kPa ?0.2kPa低真空域では容器と真空ポンプを接続する配管内の流れは粘性流(層流、乱流)であり、排気時間は式(1)に示すように初期圧力:P1と到達圧力:P2の比、ポンプ排気速度:S、容器内容積:V(配管容積を含む)から求めることができる。VP1t=×2.303log10()…式(1)SeP2t:排気時間[min]P1:初期圧(大気圧)[Pa]V:容積[L]P2:到達圧力[Pa]Se:実効排気速度[L/min] =0.8SS:理論排気速度[L/min]※実効排気速度Seは配管、バルブの圧力損失を考慮して概算でポンプ排気速度の80%とする。(配管がポンプ吸入口より細かったり、極端に長い場合はコンダクタンスを計算した上で容器の排気口位置での実効排気速度を求めなければならない。また、この領域での水分、溶剤等の蒸発がある場合は蒸発ガス量がポンプ排気速度に大きく影響することがあるので注意を要する。)(2)高真空域?超高真空域:0.2Pa以下高真空域では容器(配管含む)内のガスを排気するよりも、圧力低下によって容器壁から蒸発するガス量が排気に大きなファクターとなってくる。従って排気時間、排気速度を求める計算法は低真空域と異なり、以下のようになる。QLQg(t)P(t)= + +P0…式(2)SeSeP(t):到達圧力Se:実効排気速度※(主排気系)QL:外部リーク量Qg(t):容器内ガス発生量P0:ポンプ吸気口での到達圧力※実効排気速度は配管、バルブのコンダクタンスとポンプ排気速度の合成として計算される(参考資料2,3,4参照)■図1低真空域の真空ポンプ構成圧力計(真空計)圧力計(真空計)Q容器V容器VQgIP大気復圧弁SeSe真空ポンプWPRPDRP■図1低真空域の真空ポンプ構成■図2超高、高真空域の真空ポンプ構成大気復圧弁主排気系SDPTMPCP容器内表面からのガス発生量:Qg(t)は排気時間:tと共に減少するので、計算のスタートに排気時間を仮定して、その時のガス発生量から式(2)で到達圧力を求める。計算結果のP(t)が必要とする圧力(真空度)と一致しなければ、再度時間を仮定して、その時間のガス発生量からP(t)の再計算を行い、必要圧力と計算結果:P(t)が許容できる範囲に納まるまで繰返し計算を行う。高真空域では、低真空域のように必要圧力とポンプ排気速度から単純に排気時間は求められない。また、表面からのガス発生量は容器内表面を溶剤等で脱脂清浄しただけの場合と、150℃?200℃でベーキング処理した場合では、後者の方がガス発生量は約1/10位少なくなるので、同じポンプ構成でも到達圧力は低くなる。(参考資料(5)を参照)ここで注意しなければならないのは容器内の構造物、処理する製品の形状や材質である。これらも当然高真空域ではガス発生源となるので、容器内構造物が構成上ボルト締結部があったり熱伝導、電気絶縁の点から樹脂材(テフロン、PEEK、ポリエステルテープ等)、セラミッ■図2超高、高真空域の真空ポンプ構成S粗引系RPDRP大気放出WP:水封ポンプRP:油回転ポンプDRP:ドライポンプ大気放出DP:拡散ポンプTMP:ターボ分子ポンプCP:クライオポンプIP:イオンポンプクを使用したりすると、金属表面よりはるかに大きなガス発生を伴う。到達圧力は表面積からのガス発生量で計算した値よりも実測値で2?3桁位悪くなるケースもある。これは、ネジ部谷径の溝、タップ孔底に溜まったガスが排気時間経過と共に表面にしみ出てくるという現象によって生じる。従って、高真空排気では容器内構造物が複雑になる程、計算上に現れないファクターがあり、設計上の経験的な判断を加える事になる。(3)中真空域:200Pa ?0.2Pa中真空域の配管内流れは、粘性流と分子流の中間的状態になり低真空域や高真空域のように簡単な計算式で排気時間や到達圧力を求めることはかなり難しい。簡易的には式(1)、(2)で排気時間を求め、計算値の大きいほうを取れば設計上は安全サイドである。(詳しくは、参考資料(4)の中間流の計算法を参照)特に中真空域ではポンプの吸入圧(容器内圧力)が下がると排気速度が低下してくる。P1:200Pa以下ではP1、P 2間に分割し、平均排気速度で計算すれば、より正確な値を求めることができる。